アトピー性皮膚炎の治療薬 アトピー性皮膚炎治療に使われる抗ヒスタミン剤
アトピー性皮膚炎の治療薬(のみ薬)
2018/08/26
アトピー性皮膚炎の治療には、発疹、赤み、かゆみなどを引き起こすヒスタミンの働きを抑える抗ヒスタミン薬とステロイドの外用剤を用いることが多いですが、ここでは抗ヒスタミン剤についてご説明します。
ステロイド外用剤については詳しく知りたい方はこちらをクリック
薬局で初めてアトピー性皮膚炎のお薬をもらう方で時々びっくりされることがあります。
「皮膚のお薬をもらいにきたのに、どうしてのみ薬も処方されているのか?」
のみ薬が皮膚の症状に効くことに、あまりピンとこない患者様もいらっしゃいますので、そのことについて詳しく述べていきましょう。
抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤
アトピー性皮膚炎の皮膚のかゆみなどのつらい症状を抑えてくれる飲み薬が抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤(第二世代抗ヒスタミン剤)です。
病院に行くと必ずのみ薬が処方されるわけではありませんがやはり肌にお薬を塗るのは大変根気のいる大変なことなので、まずは抗ヒスタミン剤でかゆみをコントロールできれば治療の継続もしやすいですよね。
なかなか継続して、病院にかかることは時間的にも金銭的にも大変なことですし、せっかく治療するなら効率的に結果をだしていきたいですよね。
アトピー性皮膚炎の治療において、日常的にスキンケアしている患者が肌にぬり薬(軟膏やクリームなど)を塗るのは、慣れているので、きれいに塗れているんですが、スキンケアしたことのあまりない患者は薬を上手に肌に塗り広げることに慣れていないので苦手なんです。患者さんに肌に薬を塗ることについて質問してみると、いがいと、そのままのせる感じで全然塗り広げずにべたべたして洋服や下着について不快なので塗り薬が嫌だという方は結構いるんですよね・・・高齢者の方にその傾向があるような気がします。
その場合は、しっかりと塗り方指導を再度しますが、べたべたに塗るのは塗りすぎですし、もし、塗っている方いらしゃいましたらステロイド外用剤の使いかたの塗り方をよく読んでください。
塗るのが面倒な外用剤よりも、のみ薬でかゆみなどの症状を抑えることができるのは助かるみたいです。
ただ、のみ薬だけでは根本的な解決にはならないので、外用剤による治療も必須ですので怠らないようにしてください。
抗ヒスタミン剤はアレルギー症状を抑えるので、ほかのアレルギー疾患(じんましん、鼻炎など)アトピー以外の症状で使うこともよくあり,よく皮膚科でもらった薬(アトピー)と耳鼻科(鼻炎)でもらった薬が同じことがありますので、お薬をもらうときは必ずお薬手帳を持参して薬剤師、医師にチェックしてもらいましょう。
とくに今は一般名処方やジェネリック医薬品も、増えていますので、たとえば皮膚科でアレグラ錠をもらって、耳鼻科でアレグラのジェネリック医薬品のフェキソフェナジン錠もらっていても、それぞれの名前が違うので気が付かないですがアレグラ(商品名)もフェキソフェナジン(一般名)も同一の成分ですので重複してしまうことがありますからお薬手帳などによる医療機関にてチェックは必ずしてもらってください。
(お薬手帳を常に携帯していれば、薬の重複はさけることはできますので必ずお薬をもらうときは医療機関に提出する習慣をつけましょう。お薬手帳にはるシールを家でご自分で貼られても記録には残りますが、飲み合わせのチェックは医療機関へ持っていくことでできますので必ず持参しましょう)
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第一世代抗ヒスタミン薬
第一世代抗ヒスタミン薬は,古くからある薬で効き目は良いが副作用もでやすい。
副作用としては特に眠気は出やすく,めまいや口渇、便秘などがあります。
添付文書上には眠気を催すことがあるので、車の運転、危険な作業を伴う仕事などに従事させないことになっています。
緑内障や前立腺肥大などの下部尿路閉塞性疾患の患者への投与が禁忌(服用できない)である。
(ただし緑内障でも、すべての緑内障の方に服用できないわけではありません。眼科の主治医に聞いてみてください)
商品名 | 一般名(有効成分名) |
レスタミンコーワ | ジフェンヒドラミン塩酸塩 |
タベジール | クレマスチンフマル酸塩 |
べネン | トリプロジン塩酸塩水和物 |
アタラックス | ヒドロキシジン |
ホモクロミン | ホモクロルクリジン塩酸塩 |
ペリアクチン | シプロヘプタジン塩酸塩水和物 |
ポララミン | マレイン酸クロルフェミラミン |
第二世代抗ヒスタミン薬(抗アレルギー剤)
第一世代より、眠気がすくなくなっており、クラリチン、アレグラ、ビラノア、デザレックスにおいては自動車運転の対する注意の記載もないので、眠気がこまる患者様においても使いやすい薬です。
唯一、ビラノアのみ空腹時の服用となっているので、間違って食後に服用すると効き目がかなり悪くなってしまうので気を付けてください。
メーカーからは、ビラノアは食事の1時間前から、食事の2時間後までを避けて服用するように指導すればよいとありました。高カロリーの食事の後ではやはり効き目が落ちるのですが、朝食程度の軽い食事なら食後2時間たてば大丈夫ですね。ただし初回は空腹時で飲むのが効き目が早くてよいそうです。
ただ新薬は、発売から1年、薬価基準収載の翌月の初日から1年間は1回14日処方とする制限がありますから、継続して服用するには14日ごとに薬をもらいに行かなくてはいけないので、なかなか病院に行けない人には継続して服用するには難しいかもしれませんね。2017年12月1日より処方制限が解除になりますから、忙しい方は12月から試してみるのもいいかもしれません。今までよりも早く効いて、効果がよいように私は感じますが個人差がありますから、ご自分にあう抗アレルギー剤を探してみてください。
商品名 | 一般名(ジェネリックネーム) |
ザジテン | ケトチフェンフマル酸塩 |
アゼプチン | アゼラスチン塩酸塩 |
セルテクト | オキサトミド |
ゼスラン・ニポラジン | メキタジン |
レミカット・ダレン | フマル酸エメダスチン |
アレグラ | フェキソフェナジン |
ディレグラ |
フェキソフェナジンとプソイドエフェドリン配合錠 |
アレジオン | エピナスチン塩酸塩 |
エバステル | エバスチン |
ジルテック | セチリジン塩酸塩 |
ザイザル | レボセチリジン塩酸塩 |
タリオン | ベポタスチンベシル酸塩 |
アレロック | オロパタジン塩酸塩 |
クラリチン | ロラタジン |
デザレックス 2016.11発売 | デスロラタジン |
ビラノア 2016.11.発売 | ビラスチン |
デザレックス、ビラノアについて詳しくはこちら ビラノア、デザレックスの解説