アトピーケアの手引き

アトピー性皮膚炎の基本知識、治療など健康な肌への手助けとなる情報を発信するサイトです

アトピー性皮膚炎の治療薬 アトピー性皮膚炎を改善する日常生活のポイント 薬剤師が教えるステロイド外用剤

いまさらきけないステロイド外用薬の使い方

2017/08/18

基本的なステロイド外用剤の塗り方について

前にもステロイド外用剤の使い方については述べたことがありますが、薬局の窓口で毎日質問されることをもういちどおさらいしてみようかとおもいます。いままで間違っていたかもしれないこともありますので、チェックしてみてください。

 

薬は強くすりこんで使ったほうがいいのか?⇒ ×

ステロイド外用剤は皮膚に炎症があるところにぬるお薬です。ステロイド外用剤をゴシゴシと患部に強くすりこんで塗ると、皮膚に刺激を与えてしまい、傷つけて、皮膚のバリア機能が低下し、逆効果になりますのでやめてください。やさしく塗り広げないと薬が均一の厚さに塗ることができません。

薬は患部以外の場所もぬったほうがいいのか?⇒ ×

たとえば、顔の一部分だけ湿疹があるとします。患者さんによっては、ステロイド外用剤を患部のみではなく、化粧品のクリームのように全体に塗る方もいます(本当です)。医療機関側はまさか患部以外にぬるなんてありえないと思っていても、信じられないことですが実際にはあります。

ステロイド外用剤は湿疹のある部位のみに塗ってください。炎症のない所にぬる必要はありません。おそらく、水虫の外用剤は患部より広めにぬることがある(水虫の菌が正常に見える部位にあることがあるので)のでそれと間違って覚えてしまっている方もいるのだと推定します。


スポンサーリンク


 

ステロイド外用剤を塗ったところは日光に当てないほうがよいのか?⇒ △

よく質問されるのはこれです。「ステロイド外用剤を塗ったら、直射日光をあびてはいけないのか?」

答えは「日常生活での日光程度なら、塗っていても大丈夫ですが、軟膏などは油分が強いので、そのせいで日焼けしやすくなることがありますのでその時は帽子や日傘などで日差しを避けるようにしてください。また、皮膚炎のある時は紫外線が皮膚炎の悪化要因になりますから、同様に日光に当たることはさけてください」としています。

ステロイド外用剤を塗って日に当たると黒くなると誤解されているのは、ステロイドのせいではなく、炎症反応が治まった後の色素沈着のことで、副作用ではありません。このことはこちらの記事でくわしく述べています。

 

日常生活程度の日光は問題ないですが、例えば運動会や、海水浴などずっと日に当たっている状態の時は、副作用ではなく日焼けしてしまう恐れがありますので、控えたほうがいい場合もありますので、主治医か、かかりつけの薬局などで相談してください。


かゆいので1日何回もステロイド剤を塗る⇒ ×

治療のガイドラインでは通常1日2回となっており、症状がよくなれば1日1回と少なくしたり、ステロイドの強さを弱くしたりと医師の指導のもと、変えていきます。かゆいからといって、1日何回も、かゆみのある度に塗る方もいらっしゃいますが、絶対にやめるように指導しています。その理由は、回数を増やしていくと副作用がでやすくなってしまいます。最低限の量で最大の効果をあげるためにも、医師が指示した量、使い方は絶対に守るようにしましょう。どうしても、かゆみが我慢できないときは、ハンカチなど布で包んだ保冷剤などを使って患部をすこし冷やしてあげると楽になります。冬の暖房の効きすぎや、夏の暑さなどで室温が高いとどうしても体が温まってかゆくなってしまうので、設定温度を気を付けましょう。

ステロイド外用剤の副作用ついてはこちらをどうぞ


medi


-アトピー性皮膚炎の治療薬, アトピー性皮膚炎を改善する日常生活のポイント, 薬剤師が教えるステロイド外用剤
-, , , , ,