アトピーケアの手引き

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アトピー性皮膚炎を改善する日常生活のポイント 帯状疱疹 皮膚病

帯状疱疹(症状、合併症編)

2018/06/25

帯状疱疹(たいじょうほうしん)とは?

 

季節の変わり目などの気温の変化が著しい時や、疲れた時など、免疫力が落ちた時に、かかるといわれる帯状疱疹。

この病気の原因となるウイルス、実はよく耳にする水ぼうそうのウイルスでかかる病気です。

子供の頃にかかることが多い水ぼうそうですが、このみずぼうそうの原因となるウイルスはヘルペスウイルスの一種で「水痘(すいとう)、帯状疱疹ウイルス(VZV)」です。

はじめてこのウイルスに感染した時は「水痘(みずぼうそうのことです)」として発症します。そして水ぼうそうが完治したあとも、そのウイルスは神経節に潜んで体内にずっと存在しているのです。これを潜伏感染といいます。

そして通常は加齢や、疲れ、ストレスなどによって、ウイルスに対する免疫力が低下すると神経にあった「水痘(すいとう)、帯状疱疹ウイルス」が活発になり、神経にそって皮膚に帯状の赤い斑点とみずぶくれができ、帯状疱疹として発症してしまうのです。

昔は免疫力が下がってくる中高年以降の年齢で発症することが多いこの帯状疱疹ですが、いまでは、お子さんでも、発症が珍しくないものと思います。

免疫力は疲れや、ストレスでも低下するので、現代の子供は、疲れているということなのでしょうね。子供さんが帯状疱疹にかかったら、水ぼうそうにかかったらことのないお友達や、兄弟にうつさないようにあまり接触されないほうがいいでしょう。

帯状疱疹にかかりやすい時期としては・・

生活環境が変わる新学期や、春先や、インフルエンザなどの消耗性疾患にかかった後、運動会などの行事で疲れているとき、盆休みや年末年始で人が集まる時の準備や後片付けで疲れてしまったとき、など年齢や生活環境によっていろいろありますが、春や秋の季節の変わり目は特に多くて毎日のように患者さんがやってきますね。

そして、体を休めるのが大切といっても、忙しくて休むことができずに、なかなかしっかりと休養を取ることができない患者さまが多いように感じます。

 

帯状疱疹と妊婦について

また、水ぼうそうにかかったことのない妊娠している婦人のいる家庭で、家族が帯状疱疹にかかってしまったら、絶対に妊婦にうつさないように気を付けましょう。

ほとんどの成人がこのウイルスの抗体をもつため、妊婦への感染は0.1%以下ではあるが、感染すると母体にもお腹の赤ちゃんに影響を及ぼすことになり、特に臨月の方は胎児の死亡率が高くなってしまいます。

水ぼうそうにかかったことがない女性は、妊娠を計画するまえに水ぼうそうの予防接種をしておくことを強くおすすめします。できれば女性だけでなく、水ぼうそうにかかったことのない家族がいるようなら家族も一緒に予防接種するとよいでしょう。そのあとの妊娠計画は主治医と相談してください。

帯状疱疹後神経痛について

帯状疱疹には皮膚症状とともに、ピリピリ、チクチクとした痛みがあり、個人差はありますが、かなり痛くなることにあります。私の薬局にくる患者さんも痛みがひどい方などは「痛くて眠れなかった」とおっしゃる方もいて、点滴、痛み止めの座薬やのみ薬を使われることも多いです。

特に高齢者の方の場合は重症化すると帯状疱疹後神経痛という痛みが残ってしまう場合があり、初期に抗ウイルス薬でしっかりとウイルスを抑えていくことが大切ですので、皮膚に異常を感じて、ピリピリしたら皮膚科を受診することをおすすめします。

よくあるパターンは、「虫刺されか、かぶれだとおもって市販のかゆみ止めを塗っていたが全然治らなかった」と言って、1~2週間後に来られる方もおられますが、症状がひどくなってしまっていることもありますので、気を付けましょう。

帯状疱疹の症状とはどんなものか?

帯状疱疹のおもな症状は、まず皮膚に赤みが出て赤い斑点、水ぶくれが神経に沿って、体の左右どちらか片側だけに帯状にみられるのが特徴です。できやすい部位は頭、顔、胸から背中にかけてなど上半身に現れることが多いです。

赤い斑点が現れる前の数日前から、ピリピリする神経痛のような痛みがあらわれることがあります。

その後、体の片側の神経に沿って帯状に赤い斑点、水ぶくれができます。同時に頭痛、発熱、ピリピリとした痛みが現れます。痛みがあまりない患者さんも、たまにいらっしゃるので、必ず痛みがでるということではないのかもしれません。ただ、頭、顔などに帯状疱疹がでた場合は水疱があっという間に広がってしまい重症化しやすく、痛みも強い方が多い気がします。顔や頭部に帯状疱疹ができたかもと思ったら一刻も早く抗ウイルス剤を服用してひどくならないうちに抑えることが大切です。

このピリピリとした痛みは帯状疱疹ウイルスが皮膚だけでなく神経にもウイルスが増えて、炎症を起こしているために起こるものです。

みずぶくれは、びらんとなり、かさぶたになって治っていきます。

 


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帯状疱疹の後遺症、合併症には気を付ける

帯状疱疹後神経痛

帯状疱疹の後遺症で一番多いのは、帯状疱疹後神経痛という痛みが残ることです。ウイルスによる皮膚や神経の炎症による痛みは急性期痛といいますが、その急性期の炎症によってダメージをうけた神経は帯状疱疹の皮膚の炎症がおさまった後でも、痛みの刺激を脳に伝えてしまうのです。

この帯状疱疹後神経痛が出やすい方は以下の場合が多いです

皮膚症状が重症である(みずぶくれが多い、組織が壊死しているところがある)

50歳以上である

耐えがたい痛みが続いていた

糖尿病がある

痛みを感じない程度の刺激で、痛みを感じてしまう知覚異常がある

当てはまるものがある方は痛みが残りやすいので、医師がいいというまでは、通院を止めずにきちんと治療しましょう。

帯状疱疹後神経痛になるとなかなか治りにくいため、何年も痛みに苦しむことになります。そうならためにはしっかりと治療する必要があります。私の薬局にこられる方でも、水ぼうそうと同じウイルスだからと軽い気持ちで、最初の治療段階で、忙しいからとあんまり来れそうにないという方もいらっしゃいますが、必ずこの帯状疱疹後神経痛の話をして通院を継続してもらうようにしています。

眼の合併症(おもに顔、眼の帯状疱疹でなる)

眼部帯状疱疹の合併症として出やすいのが、眼瞼結膜炎(異物感、眼の痛み、涙が出る、充血があるなど)であり、次いで角膜炎、虹彩毛様体炎などがある。眼のあたりに異常を感じたら、すぐに眼科へ行きましょう。

ラムゼイハント症候群

帯状疱疹の合併症として、耳鳴り、難聴、かおの神経麻痺、めまい、味覚障害などの症状があります。特に、顔、下あごから肩にかけての帯状疱疹では、三叉神経(さんさしんけい)に損傷を受けやすいので、この症状に気を付けましょう。

★三叉神経・・皮膚知覚を司る。三叉神経とは脳神経の中でも最も大きな神経で眼神経、上顎神経、下顎神経の3つの枝に分かれている。

運動麻痺

重症の帯状疱疹の場合は運動麻痺が出る場合があります。これは帯状疱疹ウイルスのよる炎症が、脊髄の前角まで及んでしまうためです。この前角には運動神経細胞があり、運動を司る部分なので、運動麻痺につながる症状がでます。

 

 


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