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アトピー性皮膚炎の保湿のコツ

2018/08/26

アトピー性皮膚炎の保湿は、治療においても大切です

アトピー性皮膚炎の皮膚のバリア機能は普通肌の状態よりも、かなり乾燥しているせいでアレルゲン(アレルギーのもとととなる物質ハウスダスト、ダニ、カビなど)や、刺激物質(汗、汚れ、化粧品など)が皮膚の中に入りやすくなってしまい、その結果、肌の炎症が起きやすい状態になりやすくなります。肌への刺激を受けてかゆみが出た皮膚をかきむしってしまい、さらに悪化をまねくのを防ぐ意味でも保湿は大切です。

 

肌の状態に合わせて保湿剤をしっかりとぬる

 

 

アトピー性皮膚炎の特徴のひとつである皮膚の乾燥による肌のバリア機能の低下を防ぐためには、様々な保湿剤があります。医療用保湿剤には、主にワセリンなどの皮膚表面に油膜を作って水分の蒸発を防ぐタイプとヒルドイドや尿素製剤などの水分保持させるタイプです。

油脂膜を作って皮膚からの水分蒸発をふせぐタイプ

軟膏・オイルタイプ

ワセリン、プロペトなど

べたつくが保湿効果は高い

風呂上りに塗ると効果が高い

塗った所がすこし光る程度に塗る

水分保持させるモイスチャライザータイプ

ローション、クリームタイプ

尿素製剤(ウレパール、ケラチナミン、パスタロンなど)

ヘパリン類似物質(ヒルドイド、ビーソフテンなど)

乾燥している肌に塗ってもよい

ワセリンなどに比べて使用感がよい

保湿剤にはローション、軟膏、クリーム、泡状のものなど剤形も様々です。一般的にはクリームが一番皮膚に浸透性が優れているとあるが、塗る季節や患部によって使い分けるのもいいでしょう。冬はクリームや軟膏、夏はローションと使い分けている患者様もいます。

一般的には、どのタイプでも共通して、入浴後すぐの肌が一番潤っている状態に塗るのが皮膚に保湿剤の膜を作ってあげることで、皮膚からの水分の蒸発を防いでくれるので効果的とあります。実際には、そのことを示すデータはなく海外のデータによると入浴後直後でも、30分後でも保湿効果は同じであるとのデータもありますので、神経質にならずにゆったりとした気持ちで塗ってください。乳幼児など自分で薬を塗れないお子さんなどは、直後でなくても乾燥が気になる部分には、あせらず保湿剤を少しづつ、丁寧に塗ってあげてください。

体全体に保湿剤を塗るのは、大変だとは思いますが継続することで必ず効果が出るので頑張って塗ってくださいクリームやローションタイプは塗りやすいので、体全体など広範囲に塗る場合はおすすめです。手のひら全体に保湿剤をのせて、皮膚のしわの方向にそって、丁寧に「ティッシュペーパーをのせて落ちないくらい」の量を塗りましょう(市販の保湿タイプの入浴剤を併用されるのも良いかとおもいます。保湿タイプの入浴剤は油分が多いため滑りやすいのでお風呂で転ばないように気を付けてください)

 

 


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アトピー性皮膚炎の方の入浴の5つのポイント

入浴して皮膚を清潔に保つことは、アトピー性皮膚炎の原因となる刺激物質を洗い流す意味と、患部から細菌が入らないようにするという意味からでも、重要です。ここでは体の洗い方のコツを記載しています。

市販のボディタオルやスポンジなどを使わない

ごしごし強く洗うのはかゆいときは気持ちいいかもしれませんが、さらに痒みが増したり、炎症がひどくなって皮膚がこわばったりしますので、絶対にやめてください。肌あたりが硬いナイロンタオルを使うのも同様に肌を傷つけてしまうのでやめてください。

刺激の少ない石鹸またはボディシャンプーをよく泡立ててから綿の軟らかいタオルか、手のひらで体をやさしく洗いましょう。石鹸が合わなくてかゆくなることもありますので、自分にあうものを探してください。香料の強いものは避けたほうがいいでしょう。

炎症のひどいときは石鹸をつかわなくても、お湯だけでも汚れは落ちるので使わずにやさしく洗い流しましょう。

湯船につかるときは、熱いお湯は避けてぬるま湯(38~40℃)にしましょう。

(熱い湯は体の油分が抜けますし、かゆみや炎症が増してしまいます。シャワーのお湯の温度は、熱めが気持ちいいかもしれませんが、肌のためには、がまんしてぬるめのお湯にして下さい。湯船につかるのは、体の汚れもよく落ちますし、リラックスもできるので時間があれば、ぜひ利用するべきでしょう)

 

体を洗う順番は、頭から下のほうへ洗いましょう

頭をまずシャンプーして、洗い流してから、顔を洗い、洗い流します。体は、あごの下や、ひざの表側、裏側、わきやひじなど関節部も忘れずに洗ってください。洗ったらすぐに洗い流して、石鹸成分が残らないようにしてください。すすぎ落ちがよい石鹸を選ぶと楽ですね。夏はどうしても汗をかいてしまう時期なので、朝晩2回シャワーだけでもいいので、汗を流すようにするといいですね。

 

体をタオルでふくときはこすらないように軽くおさえるようにしてしてふいてください。

 

(かきむしった部位を拭いたタオルで、ほかの部位を拭かないようにしましょう。やわらかいタオルを取り換えてください)

 

体を拭いたら保湿剤や、薬をぬりましょう。

体を拭いたら、お使いの保湿剤でからだに塗って皮膚を保護してあげましょう。薬はつよくすりこむ必要はありません。薬の膜を作るイメージでやさしく塗り広げてください。

目安は塗布部位にティッシュペーパーをのせて落ちないくらいがちょうどいいです。べたべたにぬる必要はありません。

ステロイド外用剤も塗る場合は、保湿剤の後なのか、先なのか医師によって指示が分かれると思います。

いずれも効果には差異はないとおもわれるのですが、ステロイド外用剤を先に塗った場合は、後から保湿剤を重ねることによりステロイド外用剤が炎症のある患部以外の正常皮膚の部分まで広がってしまい、ステロイドの副作用の心配があるので、わたしは保湿剤を先に塗ることをおすすめしたいです。ただし、ちゃんと塗れる方はステロイド外用剤が先でも大丈夫だと思います。

まとめ

市販のかたいボディタオルやスポンジなどを使わない。

刺激の少ない石鹸またはボディシャンプーをよく泡立ててから

綿の軟らかいタオルか、手のひらで体をやさしく洗いましょう。

湯船につかるときは、熱いお湯は避けてぬるま湯にしましょう。

体を洗う順番は、頭から下のほうへ洗いましょう 

洗ったらすぐに洗い流して、石鹸成分が残らないようにしてください。

体をタオルでふくときはこすらないように軽くおさえるようにしてしてふいてください。

体を拭いたら保湿剤や、薬をぬりましょう。


medi


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